2012年12月26日水曜日

なぜマーケティングオートメーションとインバウンドマーケティングはBFFなのか


■このコンテンツのまとめ
・インバウンドマーケティングは「プロセス」、マーケティングオートメーションは「ツール」でそれぞれ概念が違う。
・マーケティングの全体戦略を考える上で、(狭義の)IM戦略だけではなく様々なテクノロジーを組み合わせる必要がある。
■個人的な意見として
・Hubspotは競合として批判をしてたけど別モノという意見には一理あり。でもヨソのワードに乗っかるなんて。。
 先日OracleのEloqua買収のニュースが流れてきて、私周辺のマーケティングソリューション界隈ではひとしきり話題になりましたが、ITproでもマーケティングオートメーションに関する記事が取り上げられたり、来年こそは「日本のマーケティングオートメーション元年か?」などと言われつつあるようです。一方で、某先輩に言わせると「ここ10年以上毎年そんな事言ってるよ」という話もあるようですが。

さて、そんなMarketingAutomationベンダーの一角でEloquaと並び比較される事の多いMarketoのブログから「Why Marketing Automation and Inbound Marketing are BFFs」という記事が紹介されていましたので、かいつまんで抄訳をお伝えします。
※BFFとは英語のスラングで「Best Friend Forever」という意味で、日本語だと「ズッ友」的なニュアンスだと思います。



インバウンドマーケティングとは潜在的な顧客にあなたの会社を見つけさせ、(時には彼らが購入する事を期待して)認知をブランドとして認知させ、最終的にリードに変える一連のプロセスである。
インバウンドマーケティングで企業は自分達のファンを作り、注目を集める事ができる。彼らは関連する分かりやすいコンテンツを作ってリードを生み出している。インバウンドマーケティングの世界で、マーケッターの仕事はリードを探す事ではなく、リードにあなたを見つけてもらう事。それはブランドの認知から嗜好を少ない投資でより多くのリードを獲得させる事ができる。
友人か敵か?
インバウンドマーケティングテクノロジーを提供するベンダーはインバウンドマーケティングとマーケティングオートメーションを対比して競争させる事が好きだ。彼らはマーケティングオートメーションを機械的なコミュニケーションと望まないスパムの源泉として非難する。この「善」と「悪」の対決は良いコピーかもしれないが、1つの議題に対しての問題をとても単純化している。
現実はより複雑だ。マーケティングオートメーションは「ツール」で、良いマーケティングにも悪いマーケティングにも使われる。ツールそれ自身ではなくどのように使われるかが問題だ。同時にイン場ウントマーケティングは「ビジネスプロセス」でマーケティングオートメーションとともに使われサイトの訪問者をクオリファイリード、商談(opportunities)、顧客に変えるものだ。
インバウンドマーケティングが足りないところ
インバウンドマーケティングは非常に効果的な戦略だが、それだけではほとんどの企業では失敗するだろう。いくつかの最も致命的な欠点としては以下のもの。
インバウンドリードは一般的にいますぐ客(ready to buy)ではない。平均してB2Bリードの20%しか獲得した時点ですぐ営業できる状態にない。この事はクオリファイリードを営業できる状態まで育てるというきっちりしたプロセス(いわゆるリードナーチャリング)が必要な事を意味する。ナーチャリングは50%のセールスリード増加とリード単価の33%ダウンを実現する。
インバウンドでは誰がホットかそうでないかを区別できない。あなたがインバウンドで獲得したリードと呼ばれるものの多くはサービス・プロダクトの潜在的なポテンシャルを持っていない。あなたは「デモグラフィックリードスコアリング」を用いてターゲットプロファイルにマッチする見込み顧客を探さなければならない。また、「ビヘイビアルリードスコアリング」を用いてすぐセールスに取り掛かれそうな行動を示しているホットな見込み客を探す必要がある。
Marketo Benchmark on Revenue Performanceによると、この種のリードスコアリングは営業の生産性を28%も改善し、リードスコアリングにより33%の収益改善があると示唆している。
マーケティングオートメーション+インバウンドマーケティングはともに
インバウンドマーケティングの欠点のため完璧なB2Bマーケティング戦略はインバウンド戦略と同時にイベント、ウェビナー、Eメール、広告を含めたリードジェン全体の絵図を結合させる必要がある。
インバウンドマーケティングの効果を最大に引き出すためには企業はナーチャリング、スコアリングやマーケティングオートメーションのその他の要素を組み合わせる必要がある。我々はコレをインバウンドマーケティングマルチプライヤ(乗数、二乗)と呼んでいる。これなしでは単にあなたのビジネスでは名前だけのリードを生み出すだけだ。そしてそれはリードや顧客になる事はない。「優れたマーケッターはインバウンドマーケティングとマーケティングオートメーションの両方を一緒に使い、大きなリターンを生む」とはInfusionSoftのCMO、Greg Headの言葉。
結論
インバウンドマーケティングは明らかな戦略で、それはどのマーケティングの設計図にもあるべきものだ。しかし戦略であり、テクノロジーではない事を覚えておかねばならない。多くのテクノロジーソリューションがインバウンドマーケティングに役に立つ。それにはSEO、ブログ、ソーシャルメディアモニタリング、CMSも含む。これらはマーケティングオートメーションと並列に存在できるものだ。あなたのビジネスにとって最適なインバウンドマーケティングツール、最適なマーケティングオートメーションプラットフォームを選びなさい。だけどそれを(または両方を)提案だと思う事で誤解してはいけない。

補足「インバウンドマーケティングテクノロジーを提供するベンダーマーケティングオートメーションを批判している」という事ですが、具体的な会社名は上がっていませんが、もちろんHubspotの事です。彼らはMarketing Automationを”Marketing expiration”と様々な所でディスっており50000件のリストが3年間で20000件になったとか、500件のリードが40件になったとか実例を上げながら自動的にプッシュでメールを送るだけではリストが枯れ(expiration)、潜在顧客に嫌われるマーケティングをする事になると盛んに対抗意識を燃やしています。
参考:http://www.slideshare.net/HubSpot/death-by-marketing-automation

個人的な意見として:後発の会社であるHubspotがInbound Marketingという概念を元にEloqua,Marketoあたりを意識してプロモーションを行う事は理解できますが、「MAというツールとIBというプロセス、戦略を一緒にすんな」という主張は筋が通っているように思います。ただ、Marketo自身もインバウンドマーケティングという考え方を「コンテンツSEOでリードジェン」くらいの少し狭義の意味合いでとらえているようでその辺はどっちもどっちかなぁと思います。日本のネット界隈では新しい言葉がいろいろと出てくるとその意味や解釈を恣意的にとらえる事がどうも多いようなので、こういった記事も役に立つのではと思います。

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