2012年9月21日金曜日

期間を区切った中でのマーケティング施策のROI評価について

マーケティングのROIを算出するというゴールのもと、ROIの分母にあたるレベニューの部分についてはこれまでいくつかのコンテンツで細切れに伝えてきました。今回は分子の部分コストを正しく評価するという事について記載したいと思っています。

キャンペーンなど一定期間に行われた施策のROI評価などを除き、一般にマーケティング施策の評価をする場合期間を区切って、「この四半期のマーケティングパフォーマンス」という見方をしていくと思います。そうした場合にやってしまいがちなのはその期間内にコストとして支払ったものしかコスト部分に計上しないという事をしてしまう事です。

例えばこんな形です。
「今期はWebサイトの改修はなく、コンテンツの一部追加だけだったので前期に比べマーケティングROIが向上した」もしくは「今期は前期に改修したコンテンツで乗り切ったのでWebからのROIは非常に良かった」

前者の場合だと定期的に観測してウォッチしているような感じがうかがわれますが、期ごとに大きく上下する指標を持って何を評価するのでしょうか。後者の例だと既に計算することを放棄しています。単純に追加コストが無かった事をもってROIが最大化されるのであれば何も比較する事はできません。

ROIとはもともと金融の世界で使われていた言葉ですので、正しく理解するためにはその文脈の中で正しく整理しなければならないと思います。管理会計などの世界ではソフトウェアについては繰越試算として5年で償却するような税務上の取り決めがあります。ソフトウェア資産として計上し、5年で定率で償却していくように、マーケティングのROIを計算する場合、Webコンテンツについても一定期間で償却するモデルを入れてはどうかという事です。
原価償却の計算モデルを取り入れる事により、WEBリニューアルをした事でパフォーマンスは向上したのに、コストがかさんだためROIが悪化したという一見矛盾した報告が上がる事は防ぐ事が出来ます。何より「投資対効果を案件ごとに算出して比較する」というROI本来の使われ方をする事が出来るのではないかと思います。
では実際にWebコンテンツは1年で償却するのか、3年で償却するのか等についてはまじめに議論をするのは実際取り扱う案件によって異なってくると思いますが、古くは「WEBは3年でリニューアル」なんて事が言われていたようにバックグラウンドのシステムは3年、コンスタントに作り替えるコンテンツなどは1年などと決めて資産計上していくのがいいかと思います。
※そういえば「3年ごと」リニューアルの根拠も元は中のサーバの償却期間から始まった考えでしたね。

なので、ROMI(Return of Marketing Investment)の計算式としては

ROMI=今期獲得した顧客の(期待収益含む)Revenue/今期計上されたコスト(資産の償却分+今期の追加コスト)

という計算式になると思います。マーケティング活動は多くの場合、事業の連続性の中その時々に行われた
突き詰めていくと、償却前にリニューアルする時は特別損失ださなきゃいけないのかとか、ソーシャルの資産についてはどう計算するべきなのかという事も考えなければいけない?とかいろいろもやもやしてくるのですが、私も正直まだ答を持っていません(笑)。

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