2012年9月21日金曜日

コンテンツのアトリビューションと評価配分について

横山隆治さんがコンテンツのアトリビューション マーケティングの進化の方向性を考えるというコンテンツをJBpressで公開しているが、このブログで細々と書いてきたマーケティングパフォーマンスマネジメントの考え方も一部分は一緒です。

私が今考えているマーケティングパフォーマンスマネジメントでは、広告の世界から始まったアトリビューションという考え方を、広告に限定せずWebサイトや営業・サポートなどその後の顧客接点すべてに広げていきます。その中でプッシュ、プル含めたあらゆる顧客接点を全てまとめて見ていく事で、一人の顧客が時系列でどんな顧客接点があったかを統合管理していく事が目標です。さらにそこに顧客の一過性の成果を紐づけるだけでなく、中長期にわたった売上情報、つまりLTV(Life Time Value)を紐づけます。

最初のコンバージョンポイントから、全てを時系列に見ていく事で、接点は多いけれど成果につながっていない施策、接点は少ないけれど顧客に効果的に影響を与えている施策。そういったものを見ていく事で各施策の正しい評価を行っていく事が初めて可能になります。それらがどの程度貢献したかを算出するにはそれぞれ施策単位で各ゴール(最初のコンバージョン、2回目のコンバージョン、セールスリード、成約、6か月後売上、1年後売上等)を単回帰分析を行う事で把握する事ができます。そうして取得した相関値をベースにパフォーマンスの配分を行う事でマーケティングの効果を本当に正しく反映する事が出来るのではないかと思っています。

余談になりますが、マーケティング全体とマネジメントよりも少し先に進んでいる広告のアトリビューションの世界でも、日本では評価配分の方法についてきちんとした方法が確立していないというのが実情ではないかと思います。せっかく全ての顧客行動を可視化できてもアロケーションはラストクリックだけに分配していたり、リニア分配だったりするのはなんだかなぁと思っています。

いずれにしても、デジタルマーケティングの世界ではますますテクノロジーが重要になり、ユーザ行動が想像できないとコミュニケーションプランニングを描く事ができなくなります。「CMOがITをリードするという時代が確実にやってくる」というSalesforce.com日本法人の宇田社長のインタビュー記事も公開されていましたが、テクノロジーに理解のないマーケッターが多い日本ではCMOに相当するポジションはひょっとするとCIOが兼務するなんて事もあるのかもしれません。

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