2012年9月20日木曜日

Hubspotの日本登場で感じたこと


日本で初めてのインバウンドマーケティング・エージェンシー「株式会社マーケティングエンジン」営業を開始というリリースが本日だされ、国内でもいよいよインバウンドマーケティングの時代到来かという感じです。少し前からこの流れをウォッチしてきた人間としては感慨深く思っていますが、話題の大きくなり方がクライアントが待ち望んでいたという声よりも、いささか業界関係者が過熱気味かな…と感じています。ソーシャルメディアマーケティング系の自称コンサルタントの方々が新しいバズワードに便乗して焼畑をしているということももちろんだと思います。ただ、それと同時に広告代理店やメディア側のいわゆるマーケティング活動の前工程に関わっている人々の前向きな応援めいた声もなぜだか大きいようです。


そういった期待する周囲の人々の中でHubspotのサービスをちゃんと把握している人はどれだけいるのか、インバウンドマーケティングの概念をクライアントにきちんと説明できる人々はどれだけいるのか正直疑問です。
単純に考えると、インバウンドマーケティングがきちんと機能すればSEO対策のような刹那的な投資は不要になるし、李スティングやディスプレイ広告のように出費にしかならない広告よりも自社のコンテンツに投資しましょうということなので、予算の使い方も変わってくる。つまりインバウンドマーケティングに真面目に企業が取り組めば多くの場合、広告代理店経由の売上が減ることになる。何より、コンテンツでマーケティングしましょうという事はこれまで以上にエージェンシーの力量が試される時代がやってくるということです。ふわっとした企画だけでお金を稼げたような時代ではなく、顧客に寄り添って一緒に汗をかき、労働集約のビジネスをしなければならないというところを彼ら代理店たちはどこまでわかっているのでしょうか。Twitterで撫で斬りされているエセコンサルの姿は明日のあなた方かもしれないのに。

同時に、試されているのはクライアント側も同じです。Hubspot、機能は素晴らしいですが、インターフェイスは今のところすべて英語です。国内向け言語対応くらいはそのうちあるかもしれませんが、その企業のスタイルややりたい事を100%ちゃんと実現するというシステムではなく、ある程度システムにあわせて要件を揃えていくような使い方になってくると思います。この辺はSalesforceなどと同じような形だと思いますが、スピードを重視し、システムにあわせて使い方を決めていくか、あくまで独自の運用ルールを実現するためコストと時間をかけて細かなカスタマイズをいれていくかのトレードオフになってきます。コンシューマの世界でiphoneが実現し、SFA、クラウドの世界ではSalesforce、その他のWEBサービスの世界ではGoogleなどが代表するように、グローバルで成功しているサービスはあまり個別事情に配慮せず、一つのモデルを徹底的に突き詰めることで勝利しています。(逆に国内メーカーのスマートフォンの世界シェアがパッとしないは逆の理由ですね)おそらくHubspotも日本登場固有の機能などはよほどの事がないとリリースしないでしょうし、クライアント側もそういったグローバル基準にあわせた適応力が求められてくる事になるとおもいます。

それに対する(私の古巣をはじめ)ガラパゴス系マーケティングサプライヤーが意地を見せてくれる事を期待しつつ、Hubspotの登場で国内のマーケティングサプライヤーの市場がますます活性化していく事を楽しみにしています。







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