2012年8月15日水曜日

Facebook経由ではとりあえず家が売れなかったけど・・・

新築マンションがfacebook経由で14戸も売れた理由-メディアマーケティングブログ

<以下元記事から引用>
神奈川県川崎市の新築マンション「プラウドシティ元住吉」のマーケティングの中のひとつのプロモーションとしてファンページが開設されたのは今年3月末でした。6月末までの販売戸数200戸は即日完売したそうです。
購入者にアンケートを取ったところ、販売のきっかけに14人(7%)の購入者がfacebookと回答(複数回答あり)したそうです。   

このマンションや実施した企業について直接どうこういうつもりはありませんが、この記事を読んで「Facebookで家が売れるんだ~」と思うバカはいないと思うんですが、いかがなもんでしょうか。

タイトルの付け方があざと過ぎるため誤解が生まれるかもしれませんが、引用した記事にもあるように「複数回答」で「販売(=購入)のきっかけにした」人というかなり広い間口で購入のきっかけを聞いているアンケートの回答で、「7%(14人)」というのはお世辞にも高い数値とは言えないと思います。

また、記事内には言及されていませんが、「新聞広告やSUUMOの反響と比べて少ないのは当たり前。」とクライアントのコメントが引用されていることからも、残りの93%については他のマーケティング活動で集めてきたもので、Facebook経由の販売貢献は期待や思惑より低かった事がうかがわれます。

結果として、現時点ではFacebookを「新規獲得の販促チャネル」として活用する試みはうまくいかなかった、と結論づけるのが妥当だと思いますが、私個人としてはFacebookを使ったコミュニケーション自体はうまくコントロールしながら続けた方がいいんじゃないかと思います。

私もマンションを買った身なのでわかりますが、高額な買い物をしたり、重大な決断をした後には多くの人は「私の決断は正しかった」「他の物件ではなく、このタイミングで買ったのは正しかった」という意識と、それに対しての被承認欲求が生まれます。新築マンションの場合こういった欲求を満たす場は従来であればマンション専門の掲示板だったりするのですが、Facebookページ上でそういったコミュニケーションの場をディベロッパーのコントロール下に置く事で、認知的不協和を極力発生させず、いい循環のコミュニケーションが生まれる可能性があるわけです。

購入した人への情報提供、コミュニティサイトとして活用させるだけでなく、例えば第1期で購入した人に対して積極的にこのFacebookページで情報交換などすることで、購入したことの満足感を与え、それがさらにコミュニティの中で波及することで、第2期以降に販売する人への正しい情報提供のチャネルとして活用したり、販売完了後にクローズドなページにして管理会社に引き継ぐ事で、そのままマンションのコミュニティチャネルとして活用するなんてアイデアもいいかもしれません。

要は、「新規成約に貢献するチャネル」と置くのではなく、「すでに成約した人」を中心としたコミュニケーションの場として提供する、もしくは既に購入した人を通じて新たな評価を獲得していくのが今回のケースはもっともあった使い方じゃないかなぁと思うわけです。

おそらくこの企画を進めたPR会社、広告代理店が、「これからはFacebookですよ」的な感じで営業して「Facebookで家が売れた」結論ありきでこの記事も書かれたんじゃないかと推察します。当初の目論見は外れたかもしれませんが、うまく使えばいい形にワークする可能性があります。ぜひ引き続きFacebookの活用を続けていかれることをお勧めします。

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