2012年7月7日土曜日

インバウンドマーケティングが本当に国内でトレンドとなるために必要な事

インバウンドマーケティングの提唱者であるHubspotコムニコ社、スケダチ社と共同で日本に進出というニュースが先日ありましたが、スケダチの高広さんのエントリーをみると、「月間100万円~程度の予算で利用可能なものを準備したいと思っている」とのことで、Hubspot社の普通の料金体系(200$~)からはずいぶん異なる層をターゲットにしているなぁという感じです。


Hubspot日本進出と聞いて、おそらく興味を持つのは(情報感度も高く、既に何らかのコネクションもある)ナショナルクライアントが中心だと思います。彼らは既にしっかりしたプラットフォーム、オウンドメディアを保持してるので、Hubspotを検討するとしてもキャンペーンに絡めた特設サイトなど。そんな形で使うとなると、中小企業をターゲットとしているHubspotの機能では「帯に短し」となりそうです。
そのうち、「このアプリはいらないからコンテンツだけ提案して」なんていう、Hubspotが全く喜ばない形で日本のインバウンドマーケティングが展開しそうな気がしてなりません。
ただ、第25回 アメリカで注目を集めている“Inbound marketing”とは何か(4)で本人も書いているように、GoogleAdwordsを国内に広めてきた高広さんがインバウンドマーケティングの伝道師として活動を開始し始めたという事はある意味象徴的だと思っています。


Adwordsを代表するリスティング広告は、出稿してすぐに効果が出るものの、毎月コンスタントに投資を継続しなければ広告主は期待する効果を持続することはできません。さまざまな指標が取れ費用対効果が非常に優れている半面、広告効果は持続性、継続性はありません。
対して、インバウンドマーケティング(コンテンツマーケティング)はコンテンツに対して投資をしようという考え方であるため、即効性は出にくいもののコンテンツ資産は仮にコンテンツへの投資を中断したとしてもその広告主の資産となるため持続性に優れた戦略といえます。(即効性についてはコンテンツの良し悪しによっては左右されない事もあります。)


そうした短期的な収益のみに力点が置かれたプロモーション活動からの脱却を目指し、本当にそれぞれのオウンドメディアが魅力的なコンテンツによって広告メディアに過度に依存しないメディア戦略を作る事ができるのは本当に素晴らしい事だと思います。
ただ、本当の意味で広告メディアに(あるいは広告代理店)に依存しないためには、もうひとつ必要な事があります。それは魅力的なコンテンツを自社で生み出す事が出来る力です。コムニコ社が日本で展開する「インバウンドマーケティング」はおそらくコンテンツの企画・制作・サイトの運用まで含めたプランだと思います。その場合、今度はリスティング広告への依存体質から広告代理店(または制作会社)に依存する形に変わっただけです。
USのHubspotはその有名なブログやホワイトペーパーで常に訴えているのは効果的なコンテンツの作り方やSEO,PRの仕方など自社でオウンドメディアの運営を行うためのものです。


おそらく、Hubspotが日本に進出するにあたり海外と同じような戦略を取らず、プロモーション会社をパートナーに選んだ事は日本と海外の広告主の意識の差やリテラシーの違いなどもあるんだと思います。特に中小企業のオッチャン達のリテラシーはひどいもんだと思います。USでは同じ規模の企業がしっかり勉強して自分達でブログを書き、コンテンツを作ってマーケティングをしっかりやっているのに。


しっかりしようよ。日本の広告主(特に中小企業)。

2012年7月6日金曜日

多くのコンテンツではなく、いいコンテンツが必要だ

このブログでは主にBtoBの領域のコンテンツマーケティング(Content Marketing)や、最近ちょっと話題になり始めているインバウンドマーケティング(Inbound Marketing)の海外のブログコンテンツをメインで紹介していきます。まずとっかかりの記事として、マーケティングオートメーションのベンダーであるEloquaのブログIt's All About Revenueから、"You Need Better Content, Not More(多くのコンテンツではなく、いいコンテンツが必要だ)"という記事を紹介させていただきます。(以下記事の抄訳となります) 




150million(1億5000万)以上のブログがあり、昨年には100trillion(100兆通)以上のEメールが送られた。世界のWebサイトの数は250million(2億5000万)以上のWEBサイトがある。Youtubeでは毎分48時間ものビデオがアップロードされている。


コンテンツであふれている世界で、成功するためのカギは多くのコンテンツを出す事ではなく、より良いコンテンツマーケティングを行う事だ。

Wendy Clark(コカコーラの統合マーケティングコミュニケーションVP)はAd:tech2011でデジタルマーケティングの探究者(enthusiasts)達の前でこう語った「世界はコンテンツを欠いているのではない。よき語り手になりなさい」

過去にさかのぼってみよう。人間の歴史はプラットフォームで満たされいる。我々は洞窟に描き、石にシンボルを掘り、巻物に散文を書き、印刷機には単語を入力しました。今や我々はブログを書き(しかもモバイルから)ソーシャルネットワークにつぶやきアップデートしています。

変わっていないのは物語がこれらの新しいプラットフォームを満たしているという事です。「プラットフォームが何であれ、プラットフォームの中にはコンテンツがある」は語った。そしてプラットフォームよりもむしろストーリーに投資をしたからコカコーラは偉大なストーリーテラーになれた。

そしてよいストーリーを創る事ができれば、大きなお金を掛けることなく顧客と見込み顧客を巻き込む事ができる。例えばコカコーラは大きな自動販売機をショッピングモールに作った。コインスロットにお金を入れるには文字通り友人の助けが必要になる。その結果、通常の自動販売気よりはるかに多くの売れゆきとなり、コカコーラは優れたバイラルコンテンツをつくった。

これはプラットフォームが重要ではないという事ではない。プラットフォームに習熟することは現在のマーケッターには欠かせないが、「水平思考(Lateral thinking)やシステム思考(systems thinking)はマーケティングにもっともっと重要になっている。
あなたの物語はさまざまな形式のメディアを越えて語られる必要があり、プラットフォームに応じて適切に収まるからだ。事実、コカ・コーラ「オウンド、ペイド、アーンド」というモデルから「now,new,next」というメディアモデルに移行した。
※図をみるとおおよそNowメディアが7、Newメディアが2、Nextモデルが1の投資配分
 
「我々は会社として、マーケッターとして賭けをしなければならない」常に新しいものを求めているとClarkは語る。この団塊のリスクテイクや調査を進める事はストーリーを語る事だ。我々の子供は焚火の周りで紡がれた物語として始まったにも関わらずオデッセイをipadで読むだろう。持続するコンテンツマーケティングのコツは共鳴するストーリーを語ることだ。
加えて、「多くのコンテンツではなく、良いコンテンツを出すべきだ」とClarkは加えた。どんなストーリーをシェアしている?どのようにしてブレイクスルーやインパクトを与えている?
どんな企業がソーシャルメディアなどへの新しいマーケティング施策をする場合、その施策効果をどのように図るか、ROIをどのように評価するかがいつも問題になりますが、いろいろ議論しても結局明快な方程式が導き出せる事はほとんどありません。トリプルメディアという言い方も単なる分類だけで、じゃあどこにどの程度投資して何を持って評価するべきかという答えの回答にはなっていないように思います。比べてコカコーラの戦略は大まかな投資配分を先に決めて、その中でコンテンツに注力するという考え方は非常に共感できるものがあります。

2012年7月5日木曜日

ブログ始めました。


色々とキャリアを考えた中で前職を退職して半年ほど経ちましたが、しばらくインプット中心の生活を送ってきたなか入手してきた情報やまとまってきた考えなどをポツポツとアウトプットしていきたいと思います。英語の勉強も兼ねて海外のブログ・ニュースの翻訳なども行っていきます。